大麻リキッド、密輸横行 SNS売買に税関警戒

大麻の成分を濃縮し液状にした大麻リキッドの密輸摘発が目立っている。電子たばこで成分を蒸発させて吸引できる手軽さから若者の間でまん延しているとみられ、SNS(交流サイト)では売買を持ち掛ける投稿が飛び交う。税関や警察は警戒を強めている。

財務省関税局によると、2019年に税関が関わった大麻リキッドを含む大麻製品の摘発は18年比で約1.5倍の131件だった。警察庁の集計では、19年の大麻事件の摘発は4321人と過去最多を記録。10~20代が急増している。

大麻リキッドは、幻覚作用を引き起こす有害物質が濃縮され、乾燥大麻より危険性が高いとされる。VAPE(ベープ)と呼ばれる電子たばこのフレーバーカートリッジに入った状態で出回るケースが多い。

「良質なリキッドあります」「高濃度。手押し可能(直売できます)」。ツイッターには購入を誘う投稿が無数に存在する。大麻特有の臭いが少なく、見た目も電子たばこのカートリッジと見分けにくいため「警察から職務質問を受けても安全」とアピールする内容もある。

19年7月と9月にはカナダからの国際郵便で大麻リキッド入りの注射器計25本が成田空港に持ち込まれ、近畿厚生局麻薬取締部や大阪税関が今年2月までに男3人を摘発した。財務省関税局は「旅客機の手荷物に少量が隠されていることもある。今後も注意が必要だ」としている。

〔共同〕

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