電子たばこが「新型コロナ重症化に影響」は根拠なし? 米FDAが従来の見解を訂正

新型コロナウイルスとたばこの関連性を巡り、世界中で議論が巻き起こっているが、「電子たばこ」については現時点で悪影響を与えているという根拠はないようだ。

米国の食品医薬品局(FDA)は3月下旬に出していた「電子タバコ使用者は感染すると合併症リスクが増大する」という声明を訂正。4月15日に「合併症発症のリスクを高める証拠はない」と従来の見解を訂正した。

 3月下旬の声明を巡っては、米国の研究機関などから「基礎疾患の原因は長期間にわたる習慣的な喫煙であり、紙巻きたばこと比較して電子たばこは効果的な健康被害軽減ツールになっている」との批判が出ており、公衆衛生のために電子たばこの使用を控えるよう忠告するのは不適切だとしていた。

 FDAはこうした批判を受けて、「電子タバコの使用によって肺が有害化学物質にさらされる可能性はあるが、新型コロナウイルスのリスクが高まるかどうかは不明」とコメント。喫煙によるリスクは継続して警告する必要があるとした上で、電子たばこそのものが健康リスクを高めるという見解を改めた。

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