(患者の 89%が電子たばこの器具でテトラヒドロカンナビノール製品を使用していたことを報告)イリノイ州とウィスコンシン州における電子たばこの使用に関連する肺疾患 ― 最終報告

背景

電子たばこは,液体を加熱してエアロゾル化させたものを使用者に送達する電池式の器具である.電子たばこの使用に関連する肺疾患が報告されているが,大規模な症例シリーズについて述べたものはない.2019 年 7 月に,ウィスコンシン州保健局とイリノイ州公衆衛生局は,電子たばこ(ベイピングとも呼ばれる)の使用に関連する肺傷害の報告を受け,共同での公衆衛生調査を開始した.

方法

症例患者は,発症前の 90 日間に電子たばこおよび関連製品を使用したことを報告し,画像で肺浸潤が認められ,疾患の原因と考えられるものがほかにない者と定義した.診療録の抽出と症例患者への聞き取り調査を,標準化されたツールを用いて行った.

結果

症例患者数は 98 例で,79%が男性であり,年齢中央値は 21 歳であった.大部分の患者が,呼吸器症状(97%),消化器症状(77%),全身症状(100%)を訴えて受診した.胸部画像検査で全例に両側性の浸潤影が認められた.患者の 95%が入院し,26%が気管挿管と人工呼吸管理を受け,2 例の死亡が報告された.患者の 89%が電子たばこの器具でテトラヒドロカンナビノール製品を使用していたことを報告したが,報告された製品や器具は多様であった.イリノイ州で得られた症状に基づくサーベイランスデータから,2019 年 6 月~8 月の重症呼吸器疾患に関連する月間受診率の平均は,2018 年の同期間の 2 倍であることが示された.

結論

症例患者は似たような臨床的特徴で受診した.肺傷害に寄与する明確な物質または物質群は特定されなかったが,この初期の疾患クラスターは,1 つまたは複数の新たな臨床症候群の出現を示している.病態生理を明らかにし,明確な原因を同定するためには,さらなる取組みが必要である.

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