米食品医薬品局、紙巻きタバコのニコチン含有量を依存症起こらないレベルに

(財形新聞)米食品医薬品局(FDA)は28日、タバコに関連する病気や若年死を減らすための取り組みの一環として、ニコチン依存症が起こらないレベルまで紙巻きタバコのニコチン含有量を減らす計画を明らかにした(ニュースリリース、The Vergeの記事、Ars Technicaの記事)。

米国でのタバコ消費量は減少しているが、回避可能な病因や死因としてタバコは主要な位置を占め続けている。紙巻きタバコは長期にわたって意図した通りに使用を続けることで、使用者の半数を死に至らす唯一の合法的な製品であり、タバコに起因するとみられる病気や死の大半はニコチン依存によって引き起こされているという。

FDAは紙巻きタバコのニコチン量を減らすことで、喫煙を始めた人がニコチン依存症になるのを防ぎ、現在ニコチン依存症の人が喫煙をやめられるようにすることが可能になるとの見方を示している。ニコチンが必要な人はより安全な方法で摂取すればいいと述べており、FDAは電子タバコなどを想定しているようだが、楽観的過ぎるとの意見も出ている。

ニコチンは紙巻きタバコの煙を通じて摂取するのが最も有害とされている。電子タバコによりニコチン摂取は比較的安全だと考えられているが、電子タバコが一般に使われるようになったのはこの10年ほどのことであり、長期的な使用による影響は検証されていない。また、米国では電子タバコが規制対象になったばかりであり、メーカーの申請期限は当初の2018年から2022年まで延期されている。

なお、ここで取り上げられているのはタバコ製品自体が含むニコチンの量を減らすというものであり、煙に空気を混ぜてニコチン・タールの検出量を減らした「ライト」タバコとは異なる。ピッツバーグ大学のEric Donny氏によれば、実際に依存性を減少させるには85%~95%のニコチンを減らす必要があるとのことだ。

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