たばこ大手3社合同シンポジウム ドミノ博士「ニコチンは脳に作用する薬の役割を果たす」

たばこを取り巻く環境が厳しさを増す中、フィリップ モリス ジャパン(PMJ)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)、日本たばこ産業(JT)の国内大手たばこ会社3社は10月12日、初の合同シンポジウムを福岡で催した。

 「第6回アジア神経精神薬理学会/第49回日本神経精神薬理学会/第29回日本臨床精神神経薬理学会」(10月11日~13日、福岡国際会議場)内で「Motivation,Tobacco,Nicotine」をテーマに、喫煙者が紙巻たばことは異なる新たな製品(加熱式たばこ・電子たばこなど)へ切り替える際のモチベーションや、それらの製品に関する最新の科学的検証などについて、各社の研究者が発表した。

 まず、チェアマンを務めた米・ミシガン大学のエドワード・F・ドミノ博士がシンポジウムの内容について、「なぜ人はたばこを吸いたくなるのか、ニコチンとはどのようなものなのか、どれだけの量のニコチンが脳に影響を与えるのかなどについて、大手たばこ会社がそれぞれどのように理解しているかを明らかにする特別のミーティング」と説明。大手3社が共同で行うことの意義を強調した。

また、いまアメリカで一部のVAPE(ベイプ、蒸気を利用して吸引する電子たばこ)製品の関連が疑われる事故が取りざたされていることにも言及。「原因ははっきりと判明していないが、マリファナの一部成分やフレーバーの化合物に問題があるのではないか」とし、「そもそもニコチンの含まれていない(ニコチンを吸引するためのものではない)ベイプと加熱式たばこは全くの別物」と訴えた。

 そのニコチンについては、左脳に働きかけて集中力を高めることや、右脳に影響を与えてリラックス作用を促すことなどに触れ、「ニコチンは脳に作用する薬のような役割を果たす」という独自の見解を示した。

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