電子たばこ巡り米FDAに批判 禁煙に関する研究で

【ワシントン】米食品医薬品局(FDA)が電子たばこを巡り批判を浴びている。電子たばこの健康リスクへの対応の遅れに加え、禁煙に対する有効性を調べる研究を優先してこなかったとの指摘がある。 

 米国では喫煙関連の原因により年間48万人以上が死亡している。研究者らの間では電子たばこは有効でより安全な代替品になる可能性があり、禁煙を補助する医薬品として試験を行うべきだとの意見がある。 

 米ノースカロライナ大学公衆衛生大学院のカート・リビスル教授は「電子たばこが禁煙に役立つかどうか突き止める必要がある」と語る。

リビスル教授らによると、FDAは動物実験などに関わる高コストで時間のかかる手続きの一部を廃止することにより、禁煙に関する試験に道を開くことができたと指摘する。 

 さらに、FDA内で電子たばこの管轄が医薬品評価研究センターとたばこ製品センターに分かれていることが問題の一環との指摘もある。 

 禁煙に関する試験内容の許可を決めるのは医薬品評価研究センターの役割で、電子たばこに関しては長期にわたる研究が必要との姿勢を崩していない。研究者らの間では、こうした研究を完了するのは実質的に不可能との声もある。

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