米当局、電子たばこ「ジュール」販売禁止を撤回

【ニューヨーク=吉田圭織】米食品医薬品局(FDA)は7日までに、米電子たばこメーカーのジュール・ラブズに対して出していた米国内での販売禁止の命令を撤回した。ジュールが新しく提出した情報を精査した結果だという。

FDAは販売禁止の撤回について、正式な販売許可を出したわけではないと説明した。申請当時の審査中の状態に差し戻したと指摘した。FDAは2022年にジュール側が提出した毒性のデータに不足があるため、安全性に懸念があるとして販売を禁じていた。その後、ジュールは上訴し、FDAは再審査の是非の検討を進めていた。

ジュールは「我々の製品が法的に定められている公衆衛生の基準を満たしていると証明できると信じている」と述べた。FDAの再審査中は製品を販売できる。FDAから正式な許可を得るためのやり取りを続けるとしている。

販売禁止が発表された際は米国で電子たばこによる未成年の急性肺疾患が相次ぎ、健康被害の増加が懸念されていた。米疾病対策センター(CDC)の調査によれば、19年には高校生の利用がピークとなり、全体の約28%が利用していた。23年の調査では10%にまで下がった。